2015年8月30日 ℃-ute×居合道

サンシャイン劇場で行われた居合道を見てきた。
 2年前に池袋のあうるすぽっとで上演された「タクラマカン」という舞台で矢島舞美の殺陣を見てからというもの、℃-uteと殺陣の親和性について、たまに考えていた。次、℃-uteが舞台をやるなら、殺陣を使ったアクションが良いかもしれないとさえ思っていた。
 だから、あまりライブ以外の催し物やこういった企画物はそんなには見ない(昨年に落語を見ているが)私ではあるが、剣術をする℃-uteを見たい一心で、申し込んだ。
 居合道の会場は、どんと「道(DOU)」と書かれている大きな紙が飾られた舞台だった。そこへ、道着を身につけた℃-uteと先生が入場してきて、まず、ざっくりと練習をしたと思われる型を披露した。「えい!」とか「やー!」とか言いながら、刀を振り上げる℃-uteはかなりシュールだった。
 会場からは笑いが起きていた。
 そこからは、居合道とはなんぞやというところから、刀の部分の名前の勉強、そして居合道を取り入れた、個々のキャラクターそれぞれの型を披露していく。これは先生が独断と偏見で決めているとのことだったが、わりと当たっており、面白かった。
 矢島であれば、「男前」なダイナミックな型、鈴木であれば「ナルシスト」な型、萩原は「元気いっぱい」な型、岡井はなぜか「クールビューティ」な型、中島は「エロティック」な型というように、先生が独自で編み出した型を披露した。
 鈴木の「ナルシスト」な型は大変にナルシストでおかしかった。刀を振り上げ、腕の隙間から目を覗かせたり、刀を鞘にしまうときに、顎をあげて、流し目にしたりするのである。中島に至っては、刀をしまうときに刀にキスをしたりウィンクをしたりして、ともすれば、愉快な殺人鬼のようなキャラクターだ。愉快な殺人鬼といえば、萩原のそれも同じく、笑いながら刀を振り上げたり、「シャキーン」と言ったり、終始笑顔でかなり狂気じみていた。
 そして舞台の終盤では、先生たちの弟子?のような存在の劇団員たちと、実際に殺陣をしていくということを行った。これで頭角を現したのは、中島だったと思う。
 中島は合間にちょくちょく練習していたのだろう、完璧に教科書のような振り付けで、殺陣をこなしていた。そこには個性や面白みはなかったかもしれないが、実に綺麗で、やはり努力家だということがよく伝わってきた。惚れ直した。
 矢島は経験者だからか、身のこなしが美しい。姿勢もよかった。
 その殺陣を、ひとりひとりのソロナンバーで披露するという無謀な挑戦もぐだぐだにならずに、形になったのは、℃-uteの実力のレベルが高いからだと思う。
 練習が少なかったという話(2日前に1度くらいしか稽古とリハーサルをしていない)割には完成度の高いイベントだったが、趣旨がよくわからなかった。女優志望のメンバーにとってはこれからに役立ったかもしれないという感じのイベントである。